企業価値の計算方法!その2~理論株価を求めるインカムアプローチ編

企業価値の計算方法!その2~理論株価を求めるインカムアプローチ 株式投資

企業価値を見積もる方法は、大きく分けて以下の3つに大別されます。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

この記事ではインカムアプローチによる企業価値の見積もり方法を解説します。

☑インカムアプローチとは
☑企業価値は将来得られる利益の合計
☑企業価値の見積もり方
☑現在価値に割引く方法
☑リスクプレミアムとは
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インカムアプローチとは

企業価値を見積もるインカムアプローチとは、企業が未来において稼ぎ出すキャッシュフローを予想して、そこから現在の企業価値を見積もる方法です。

企業の持つ価値とは、コストアプローチで貸借対照表の純資産額から求めるられる価値だけではありまよね。

なぜならば、会社というビジネスの仕組みそのものが、将来に渡ってお金を稼いでくれるからです。

例えば、業務をおこなう社員の知識や能力は貸借対照表には載りません。

また、企業の持っている信用やブランド力なども。

さらにお金を稼ぐビジネスシステムの価値も貸借対照表には載りません。

しかし貸借対照表に載らないからといって、これらに価値がない訳ではありませんよね。

なので、インカムアプローチでは、企業が将来どれだけお金を稼いでくれるかを見積もり、現在価値に割り引くことで、企業価値を評価します。

代表的な計算方法にDCF法(discount cash flow)と配当還元法があります。

さらに、それぞれには細かな計算方法が異なる複数のバリエーションが存在します。

M&Aを目的に企業価値を見積もる場合や、金融機関が融資審査するケースなどのシチュエーションの違いで、よく使われる計算方法も少々異なります。

厳密に企業価値を見積もろうとすると、フリーキャッシュフローを求めて、CAPMを理解しながらβ値を計算し、割り引く株主コストと負債コストを計算してWACC(加重平均資本コスト)を見積もり、株式市場のリスクプレミアムを足して、DDMモデルに当てはめると、うんたらかんたら。。。

会計や金融の知識がないと、計算するのも結構しんどいものです。

しかし、株式投資で投資判断の目安として見積もるだけなら、厳密な計算も必要ありません。

厳密に計算したからといって、計画根拠となる未来の収益予想が不確実なものなので、計算結果が正解に近づく訳ではないですからね。

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インカムアプローチで企業価値を見積もる方法

企業価値をインカムアプローチで簡便に見積もるには、まず直近の損益計算書より当期純利益の金額を確認しましょう。

また、未来の利益は、過去から現在までの成長率などを加味して各自で予想します。

そして、将来に渡って得られる利益の累積が、企業の価値と考えます。

つまり、企業価値を式で表現すると以下のようになります。

企業価値=当期利益+来期利益+2年後の利益+3年後の利益+・・・・

ちょっと待てよ!

この式では、利益を出し続けると予想した場合に企業価値は無限大になりますが、実際はそんな事あり得ないですよね。

なので、未来に得られると予想する利益は、現在価値へ割り引いて補正する必要があります。

現在価値への割引とは一体何なのでしょうか?

現在価値への割引とは

現在価値とは、将来のお金を現時点の価値へ割り引きした価値のことです。

例えば、今すぐに100万円を貰える権利と、10年後に100万円を受け取れる権利のどちらかが貰えるなら、あなたはどちらを選びますか?

今すぐに貰える100万円ですよね?

今すぐ100万円を受け取れば、リスクの少ない資産運用でも10年後には増えていることが期待できます。

たとえ額面が同じでも、 将来に得られるお金というのは、現時点で手にする事ができるお金よりも、価値が低くなります。

なので、将来得られる企業の利益も、現在価値に割引して考えなければなりません。

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現在価値への割引率は何パーセントが妥当?

現在価値への割引率は、何パーセントが妥当なのでしょうか?

割引率を求める考え方としては、将来得られるほとんどリスクのない資産運用で得られる年利+リスクプレミアムを合計した値を割引率として設定します。

例えば、ほとんどリスクのない国債での利回りを仮に年率1%としましょう。

(現在の個人向け国債は0.05%。定期預金で0.1%程度ですが)

すると、来年得られる利益は1%割り引いて考える必要があります。

しかし、それだけの割引だけでは不十分で、リスクプレミアム分も割り引く必要があります。

リスクプレミアムも割引する

将来の利益にはリスクが伴うので、リスクプレミアム分も割引する必要があります。

リスクプレミアムとは、投資家がリスクを取る代わりに期待する超過収益のことです。

例えば、期待リターンが5%の株と、利息が5%つく定期預金なら、定期預金へ投資するほうが良いですよね?

株は、株価が上がったり下がったり値動きするリスクを伴うので、期待値が同じなら確実に5%の利息が得られる定期預金を選ぶはずです。

つまり、リスクのない定期預金で5%の利息が貰えるなら、リスクがある株では定期預金を上回る超過リターンが得られないと、誰も株に投資しなくなります。

投資家は常にリスクに見合った超過リターンが得られる事を期待して投資し、この期待する超過リターンの事をリスクプレミアムと呼びます。

そして、将来における企業の利益にもリスクを伴いますので、リスクプレミアムも現在価値に割り引いて考えます。

ただし、リスクプレミアムも常に一定ではなく、株式市場の状況で変動します。

例えば、2019年の日経平均株価のPERがは12倍~13倍程度なので、その逆数である利回りは7.6%~8.3%程度になっており、そこからリスクの無い国債利回り0.05%程度を引いても、大体7%台です。

しかし、PERから求めた値が、投資家がリスクを取った代わりに期待する超過収益と一致するという訳ではありません。

リスクプレミアムの説明として、PERの逆数から国債利回りを引いた値と説明される事もありますが、実際の妥当なリスクプレミアムは投資家の頭の中にあるもので、計算するのは現実的ではありません。

株式市場全体がバブル気味で割高になる時は、投資家が考えるリスクプレミアムが2%くらいまで低下する事もありますが、平時は5%~6%くらいと考えておきましょう。

そして、株式の売買には手数料も掛かるので、コストを差し引いたリスクプレミアムは5%くらいで見積もると良いでしょう。

1億円の利益を出し続ける企業の現在価値は?

無リスク運用で得られる年利とリスクプレミアムを合わせて年間6%を割引します。

毎年1億円を稼ぐ企業の場合、来年の利益の現在価値は106%で割って約9,434万円です。

2年目はさらに106%で割って8,900万円。

3年目は8,396万円。

4年目は7,921万円。

5年目は・・・

このように将来得られる利益を現在価値へ割り引きして、合計すると以下のようになります。

年次利益予想の価値(万円)累積(万円)
1年目9,4349,434
2年目8,90018,334
3年目8,39626,730
4年目7,92134,651
5年目7,47342,124
6年目7,05049,173
7年目6,65155,824
8年目6,27462,098
9年目5,91968,017
10年目5,58473,601
11年目5,26878,869
12年目4,97083,838
13年目4,68888,527
14年目4,42392,950
15年目4,17397,122
16年目3,936101,059
17年目3,714104,773
18年目3,503108,276
19年目3,305111,581
20年目3,118114,699
21年目2,942117,641
22年目2,775120,416
23年目2,618123,034
24年目2,470125,504
25年目2,330127,834
26年目2,198130,032
27年目2,074132,105
28年目1,956134,062
29年目1,846135,907
30年目1,741137,648
~~~
204年目0166,666

1億円の利益を出し続ける企業の将来利益を、6%で現在価値に割り引いて合計した企業価値は16.6億円となります。

ちなみに、5%で割り引くと20億円となり、7%で割り引く場合は14.2億円。

これを発行株式数で割れば、1株あたりの企業価値を求める事ができます。

しかし、インカムアプローチで企業価値を見積もる場合、割引率や収益予想が変わる事で大きく企業価値も変化してしまいます。

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まとめ

今回、インカムアプローチで企業価値を見積もる例として、今と同じ利益が未来でも出続ける事を前提に解説しました。

しかし、実際はそんな事あり得ませんよね。利益成長なども考えて、将来の利益を見積もらないといけません。

しかし、計算の前提となる将来の利益は、正確に予想できません。せいぜい読めるのは2年~3年先までではないでしょうか。

さらに、割引率によっても求められる結果は大きくブレるので、インカムアプローチでの企業価値は目安くらいに考えておきましょう。

コストアプローチとマーケットアプローチで企業価値を求める方法については以下の記事で解説。

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