企業価値の計算方法!その1~理論株価を求めるコストアプローチ編

株式投資

企業価値を見積もる方法は、大きく分けて以下の3つに大別されます。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

この記事ではコストアプローチによる企業価値の見積もり方法を解説します。

☑コストアプローチとは
☑企業価値の見積もる方法
☑貸借対象表の資産は簿価
☑資産価値は時価で補正が必要
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企業価値を求めるコストアプローチとは

企業価値を見積もるコストアプローチとは、企業が持つ総資産から負債を差し引き、残った純資産を企業の価値として見積もる考え方です。

企業が将来にもたらす収益はいったん考慮しません。

現時点で企業が持っている資産を「現金に換えた時にいくらになるのか?」という考え方で企業の価値を見積もりします。

次に見積もった企業価値を発行株式数で割れば、1株あたりの企業価値が求められます。

そして、1株あたりの企業価値より、現在の株価が安ければ、当然株価は割安という事になります。

ちなみに、貸借対象表の純資産を、単純に発行株式数で割って求める方法を簿価純資産法と呼び、求められた値はBPS(1株あたり純資産)と呼ばれます。

これは株式投資をしている方なら、お馴染みの指標ですよね。

しかし、これを企業の価値と見るのは適切ではないです!

財務諸表の基本的な見方については、以下の記事をご参考。

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コストアプローチで企業価値を見積もる方法

SIXPADで有名なMTG[銘柄コード:7806]
SIXPADで有名なMTG[銘柄コード:7806]

まずは企業の貸借対象表(BS)から企業価値を読み解いていきます。

実際の例で企業価値を見積もってみましょう。

 MTGの貸借対照表(借方)2019年9月期  第2四半期決算短信
MTGの貸借対照表(借方)2019年9月期  第2四半期決算短信

上記の図は、ロナウドがCMをしているSIXPADで有名なMTG[7806]という企業の貸借対照表です。

最初に貸借対照表の「資産の部」を見ます。

企業の持つ資産の合計金額は70,466百万円です。

MTGの貸借対照表(貸方)2019年9月期  第2四半期決算短信
MTGの貸借対照表(貸方)2019年9月期  第2四半期決算短信

次に上記の「負債の部」見てみましょう。

負債は10,782百万円です。

これは借金なので、企業価値を計算する際は、資産からマイナスする必要があります。

そして、「資産の部」ー「負債の部」=「純資産の部」となり、上記の図の「純資産合計」が簿価で計算した企業価値となります。

以下は貸借対照表のイメージです。

貸借対照表のイメージ
貸借対照表のイメージ

そして、MTG[7806]の純資産は59,684百万円です。

発行株式数は39,729,908株。

なので、1株あたりの企業価値は1,502円になりますね。

しかし、これはまだ適正な企業価値とは言えません。

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資産価値には補正が必要

先ほどは貸借対象表の純資産の部の金額で計算を行いましたが、実際はこの金額を鵜呑みにしてはいけません。

なぜならば、貸借対照表の「資産の部」に記載される資産の金額は、簿価と呼ばれる価格で、あくまでも資産を取得した価格や原価の金額だからです。

実際は資産を現金に換える時、帳簿に載っている価格とおりに売却できる事はありませんよね。

これらの資産を売却するならば、いくらで売れるのかを見積もり、時価で評価しなおさないと本当の企業価値は測れません。

しかし、資産の価値を厳密に時価で評価する事はできないので、およその評価率を掛けて補正します。

評価率に決まりはないので、ここは少々の経験やセンスと目利きが必要ですが、以下に個人的に推測した評価率と、見積もり金額を記載しておきます。

資産の部勘定科目金額(百万円)評価率見積金額(百万円)
流動資産現金及び預金30,639100%30,639
流動資産受取手形及び売掛金7,81990%7,037
流動資産商品及び製品10,46230%3,139
流動資産原材料及び貯蔵品1,61630%485
流動資産前払費用1,57550%788
流動資産その他531100%531
流動資産貸倒引当金-5100%-5
固定資産建物及び構築物(純額)1,31570%921
固定資産土地12,25870%8,581
固定資産その他(純額)1,043100%1,043
固定資産のれん 00%0
固定資産その他633100%633
固定資産投資有価証券357100%357
固定資産長期前払費用583100%583
固定資産繰延税金資産1,014100%1,014
固定資産その他 648100%648
固定資産貸倒引当金-27100%-27
 合計70,466 56,365

この評価率を掛けて、MTG[7806]の資産価値を再評価しましょう。

すると、資産の部の合計額は56,365百万円になりました。

次に負債の部の金額ですが、これは基本的にそのままの金額でOKです。

引当金勘定など必ず返済する必要がない債務は、割り引いて評価しなおしても良いかもしれませんが、とりあえず簿価の金額が正しいと思って構いません。

負債の部は10,782百万円なので、時価相当で評価した資産から負債を差し引くと、純資産は45,583百万円となります。

そして、発行株式数は、やはり39,729,908株です。

すると、1株あたりの企業価値は1,147円となります。

しかし、MTG[7806]は上場以来、株価下落が続いており、2019年6月28日に株価は上場来最安値の1,132円をつけています。

MTG[7806]の株価
MTG[7806]の株価

これは、先ほど試算した企業価値1,147円を少し下回る水準です。

通常、株の適正な価値は「資産価値+将来の利益」と考えます。

なので、当面の間の利益が0円としても1,132円の株価は割安という事になります。

コストアプローチは企業の持つ資産価値だけを評価して企業価値を求めているので、将来に得られる利益がプラスに転じると予想するならば、この株価はかなり割安と考えられます。

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まとめ

コストアプローチで企業価値を見積もるには貸借対象表を読み解く必要がありますが、深い会計知識がなくても簡単に試算できるので、一度お試しください。

ちなみに、将来に渡って赤字が続くと純資産は目減りします。

なので、今後の赤字で純資産が目減りが懸念されると、株価がコストアプローチで求めた企業価値を割り込む事もしばしば。

また、恐怖のパニック相場の時は「ここが底値だ!」と思っても、さらにオーバーシュートして下落する事もあります。

さらに、粉飾決算であれば、そもそも貸借対照表に載っている金額が嘘という事もありますのでご注意ください。

インカムアプローチとマーケットアプローチで企業価値を求める方法については以下の記事で解説。

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